満足度★★★★
心温まるような...
遠ざかったから、懐かしさも倍加するような...人生の滋味を味わうような物語である。それが母の突然の死であればなお更であろう。二度と聞けないからこそ、胸の奥で自分の支えとなる言葉がある。それを伝える聞きなれた”声”が愛しくなる。
人の絆の儚さと希望、愛を育んだ喜びと孤独を静かにあぶりだすような余韻が心地良い。
家庭の中で、夫や子供達の世話をし、近所付き合いもしっかり行う。この家族を支えた母親は、多くの人がそうであるように、真面目に働いても目覚しいことがあるわけでもない。しかし、毎日の繰り返しのようである家事...その母親の仕事を尊重したい。
舞台美術はもちろん、脚本・演出も丁寧であると思う。しかし自分の好みとしては、しっくりこないところも...。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)