リーディング公演「『門』別役実 作」 公演情報 新国立劇場「リーディング公演「『門』別役実 作」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    『門』はリーディングの演目に向いていたのか
    別役作品は、とても狭い範囲しか見えてこない。
    人物の背景などの広がりが見えてこないのだ。
    たとえ設定が町や国であってもそう感じる。

    ネタバレBOX

    別役作品は、とても狭い範囲しか見えてこない。
    人物の背景などの広がりが見えてこないのだ。
    たとえ設定が町や国であってもそう感じる。

    今回の作品でもそうだ。
    舞台の上の半径1.5メートルの、スポットライトの当たっているところのみが世界のすべてではないか、と感じてまう。

    この作品はリーディング公演だから、実際はそうではないのだが、男と門番の2人が舞台の上にする様を想像したらそんな感じだった。
    たとえここに門のセットがあったとしても、門には気持ちがいなかないような気がする。

    「家族」という言葉があってもその家族へ想像は膨らまず、「公務員だ」という台詞があってもその勤務先には気持ちがたどり着けない。
    女が出てくるが、彼女も現れて、そこから出るとまるで存在しないようだ。
    彼らの背景は見えてこない。

    いろんなモノが削ぎ落とされている。
    それが登場人物たちを所属不明にし、不条理の住人としているのだろう。

    それが作品全体の印象を良くし、作品に集中させることもあるが、素っ気なさ過ぎると感じることもある。
    今回は、広がりがないことが功を奏していないと感じた。
    なので、台詞に取っ掛かりのようなものが見出せず、前半はただ見ているだけだった。

    中盤以降、門番の吐露から感情が出てきて、歌が入り、さらに門番の感情が激しくなってくる。このあたりは面白くなってきたと感じた。

    この作品は、男と門番の会話が肝であろうと思う。
    台詞自体よりも、彼らの仕草や対峙の仕方にミソがあるのではないかと思った。
    なので、リーディングの題材としては向いていないのではないかとも感じてしまった。

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    2016/07/27 21:38

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