満足度★★★
女性専用シェアハウスのドタバタ劇!?
19日午後、新宿の下落合にあるTACCS119ホールで開催されているアフリカ座企画公演OFF VIVID COLOR『ヘヤノゾキ』を観てきた。これは知人の若林美保が出演していた関係からである。
このVIVID COLORというユニットは現役&元AV女優のみで結成されているのだが、今回はそのメンバーに元宝塚の女優を加えてOFF VIVID COLORとして上演した企画公演である。
舞台は女性専用シェアハウス・ハッピーライジングの住人たちの起こすドタバタ騒動を描いたもの。中心となるストーリーは、現在シェアハウスに住んでいるストリッパーの葉林美和子(演じるのは若林美保。以下、同様)と10年ぶりにシェアハウスに戻ってきた美和子の姉・桐優菜(結城リナ)の姉妹愛であるが、それに男装させたマッサージ師を自室に呼び寄せ、住人からストーカー出現だの男子禁制の場所に男性を招き入れたという騒動を起こす末早理紗(早瀬アリス)、自分の彼氏の二股相手を探すフリーター浮草にかろ(國崎馨)、子分的な住人を従えた姉御肌のOL駒本聡子(坂本ともこ)、婚活中で観客から一番笑いを取っていた合田原ゆかり(sayaka)などが絡んでの約2時間あまりのコメディタッチの内容だった。
とこう書いていて思うのは、脚本を書く杉山夕(シェアハウスの大家役で出演)の、登場人物の名付け方に対するこだわり。これは、毎回思うことで、感心するというか呆れるというか(苦笑)。
舞台の見所は、若林の踊りと結城の歌なのだろうが、それを食っていたのがsayakaの演技。劇場の盛り上がりという点では、彼女のシーンが一番盛り上がった感じ。坂本演じる駒本が結城演じる桐の姿が見えないし、桐が10年前と容姿が変わらないという点で、「ひょっとして桐は亡霊なのでは?」という印象も受け、その意味ではブラックコメディ的な要素も織り込まれていたと言える。
千秋楽であった関係からか、終演後には出演者全員によるトークイベントもあり、失敗談の披露などで場内は和んだ雰囲気。物販コーナーも盛況で、個人的には台本を購入。このアフリカ座の公演では台本を買うことが多いのだが、脚本的には今回の公演は、最近の公演の中で一番密度が濃いというか内容が詰まっていた印象を受けた。脚本家としての杉山の進歩と受け取って良いのだろう。