雁次と吾雲 公演情報 護送撃団方式「雁次と吾雲」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    何かすごいもの観た感はあるものの…
    主宰の關根さん(ふりがなつけませんか)を何度か観たことがあって、ちょっといいなと思ってたので、今回初めて本家の作品を観てみました。

    結論から言うと僕はあんまりピンとこなかったというか、疲れました。
    想像で補完しなければいけない情報が多すぎるためでしょうか。

    そもそも護送撃団方式のwebサイトから引用すると
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    観劇中、作品のメッセージを『伝える』のではなく、『渡す』。
    つまり。
    「お客様に作品の核心を一方的に見せず、様々な解釈の自由を持ってもらう」
    「作品のメッセージを答えとして見せるのではなく、そのチラリズムを美学とする」
    これらをコンセプトとした作品です。
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    ということなので、やや観る人を選ぶのかもしれません。
    僕は観劇において「察しがいい」方ではないので…。

    熱いとか重いとかじゃない、何か「圧が高い」感じは確実にありましたが。

    ミザンスや何か含め古式騒然とした演劇らしい演劇を作ろうとしすぎ?
    もうちょっとエンターテイメント性が盛り込んである方が好みです。

    ダンサーチーム4人の使い方はおもしろかっこいいですね。

    ごく個人的には儚くも美しいヒロイン本間理紗が何パターンも見られてよかったです。袴とブーツ。昔かっ。

    よかったこと
    ・全席自由
    ・3,800円のつもりで行ったら金曜だけ3,500円だった
    ・アンケート記入しやすいようにバインダーが用意されてる

    よくわからなかったこと
    ・空調の温度設定22℃

    もうちょっとがんばって
    ・SEのタイミング
    ・劇場のイスが固い

    ネタバレBOX

    まず冒頭から世界の描写があまり丁寧でなく、重要な要素であるはずの統治体制がよくわかりません。

    フライヤー(デザインはともかく読みにくい)のあらすじによれば
    「-大正-
    それを思わせるような、かつての日本らしき虚実混濁の世界」
    ということですが、舞台上、少なくとも視覚的には確実に日本の大正デモクラシー前後を思わせます。
    その世界で、国を統べていると思しき大臣?がどういった背景でその地位につき、またどんな手続きを経て(一見簡単に)交代するのか、我々が受けた教育で知っている日本の状況とは明らかに異なる。(没落貴族や「新しい法律が制定される」過程など)

    これは終始キーワードとなる「自由」に大きく影響してきます。
    その自由なるものが民主主義の発展あるいは「公権力が私人に干渉しない」という、時代背景を踏まえた上での社会的な意味なのか、吾雲が持ち合わせていた「魂のありよう」(これがすべての災禍の源のように思えます)なんだかよくわからない。
    そしてその自由という概念の取り扱いを何かごまかされたような気分のまま物語は終盤へ。

    自由は生と死の両極端にしか存在しえないのでしょうか。
    吾雲は本当に自由だったのでしょうか。
    雁次は、白乃は自由になれたのでしょうか。
    …とは思っても、
    現代に生きる我々は自由なのでしょうか。
    結局のところ自由とは何なのでしょうか。
    とまでは思わない、ぐらいの「メッセージを渡された」具合でした。

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    2016/07/15 23:20

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