満足度★★★
もったいないサスペンス。
隅から隅までもったいないお化けに満ち満ちている。
設定の強度はあるし、サスペンスをやりきる志に嘘はない。
ただ、それを支えるなにもかもが惜しいのである。
意外さを押し出そうとするあまり、無理が出ている部分がある。
特にラストは、フェアだし伏線も拾ってるしと、一見丁寧なようで、
カタルシスの欠片もないくらい唐突だ。
このラストを作るために、いろいろ腐心している部分があるに違いない。
ただ、観客のミスリードの誘い方が強引というか、いささか作業的である。
もっと、しっかり物語に気をつかってもいいじゃん、と思う。
更に問題なのは、多くの役者の演技がノイズでしかないことだ。
キャラクタ作りの浅さであるとか、そもそも演技が稚拙であるとか、
サスペンスとして強度を保たせるために邪魔でしかない。残念。
方々から勧められていただけに、正直、肩すかしであった。
でも、設定は本当に面白かったので、次回も期待。