ルドベルの両翼 公演情報 おぼんろ「ルドベルの両翼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    幻想的な...
    寓話...活喩のような物語。会場はアークホテルビル地下 BASEMENT MONSTAR王子で、その階段を下りると、そこには洞窟内の神秘的な世界が広がる。場内には 末原拓馬氏 の柔らかく朗々とした声が響き、その心地よい音質に誘われて物語の世界に浸る。その異空間と思われるところに暗渠(あんきょ)のような通路。しかし、そこには水は流れていない。そこをキャストが激しく動き回る。舞台(役者の動線)と参加(観客)席には区切りがあるが、雑然としている。そして席は桟敷、ベンチ、スツールと様々である。参加者の視線(桟敷は見上げる、ベンチは平行、スツールは少し遠目)によって印象が違う。そのことは十分意識しての配置であろう。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    場内は全体が暗色、形容しがたい舞台美術。その異形オブジェに囲まれて、キャスト5人が縦横無尽に動き、走り回る。その熱量が半端なく上がり汗が迸る。
    物語は人間界とは別世界...瀆神(とくしん)とは少し違うかもしれないが、天上界の怒りから地上界へ。その索漠・茫洋とした様子が舞台美術に表れているようだ。空虚は照明効果による幻像表現として演出する。それは登場人物の外見・衣装にも妖気をただよわせる。

    寓話のような...天地の境が人間界のような描き。登場するのは人間の姿をした架空の生きものか。そこに おぼんろ ならではの非現実的な世界観で描くことによって、より物事の本質に迫るような切り口が垣間見える。
    今回は、天使と奴隷(極端な譬え)の恋の果てに痛みを伴う仕打ちを受ける。それも後世にまで...。さらに双子(児)という、古の時には忌み嫌われたようだが、本公演でもそれを踏まえた展開のようだ。それらの不条理とも思われるような考えと行為に抗う、もしくは翻弄される姿が痛々しい。

    パンフには、「僕らはこの場所で変幻自在の夢をみる」とのコピーが書かれている。本公演の雰囲気は魔、実際に描かれている話は俗談のようである。それでも翼があって飛べるような夢が観れた。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2016/07/08 07:35

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大