「君に決まってた」(公演終了) ご来場ありがとうございました。 公演情報 Sky Theater PROJECT「「君に決まってた」(公演終了) ご来場ありがとうございました。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    妄言...ホーム・シチュエーション・コメディ!は面白い
    観劇した日(七夕)は暑かったが、この「劇」笑劇場での公演で更に熱くなった。ヒートアップした笑い笑いの連続で、その観せ方にも工夫が凝らされている。「TVゲーム」を題材にしたコメディ...たかがゲーム、されどゲームに振り回される大人たち。その姿を通して家族とは...そんな親子、家族ドラマが...。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    舞台セットはしっかり作り込んでおり、この「桜井家」の居間を中心に、その奥に中庭であろうか。狸の置物も見える。上手側に台所への出入り口、室内にTV、中央に卓袱台、下手側に和箪笥が置かれている。時季は4月、この家には樹齢65年の桜の木があるが、朽ちてきたため切ることにした。最後になるであろう観桜日のドタバタ。

    梗概...恭平・安吾の父子は子供の時のゲーム遊びを巡り確執があった。そして、安吾も2人の子どもの親になった。今でもゲームは趣味。恭平は「ゲームなんて」と安吾の前では毒づくがゲーム好きの孫娘かわいさに手を出したところドはまり。でも安吾には絶対に知られたくない。その日、恭平は安吾のゲームソフトのセーブデータを誤って消してしまった。15年以上、引き継ぎ、引き継ぎしてきた大切なデータを。確執から生じたプライド、ごまかしの噓が思わぬ事態をまねく。

    居間という限定された空間で演じるため、登場人物は場面毎にせいぜい3~4人が登場し、笑いを繋ぐ。次場面への笑いネタの繋ぎ方がわかり易い。そして登場人物のキャラクター造形とともに、その外見でも印象付ける。同じような衣装(水着や下着姿も含め)は身に着けず、役どころがイメージしやすい。
    基本的に暗転がなく、1日の流れの中にドタバタ騒動が組み込まれ、照明の照度によって午前・日中(雨)・夕方という時間経過が分かる。もちろん、桜の花びらが舞い落ちて風情も感じられる。

    隠し事の顛末...居間に家族やこの「ごまかしの噓」に関わった人々を集め、逆回転映像のように観せる。それも1対1の対(論)戦のようにメリハリを利かせる。役者陣のチームワーク・バランスの良さが見事。
    脚本、演出、演技や舞台美術・技術が上手くかみ合い、実に印象深い公演であった。

    ゲーム...子供にとっては友達付き合いの重要なアイテムらしい。持っていないと遊びの輪に入れず、もっと言えば仲間外れにされる場合もある。一方、親からしてみれば、勉強もしないで...その視点によって「ゲーム」という存在の捉らえ方が異なるようだ。教訓臭くならない程度に、もう少し”ゲームの功罪”が透けて見えてもよかったかも。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/07/08 07:32

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