満足度★★★★★
揺らぎ続ける身体、存在。
物語・言葉・意味のある原作をどう踊りで解体するのかと思って観に行ったら、正攻法に原作と向き合っていた。ちょっと残念と思いながらも、正攻法の作品としてはとても素晴らしかった。ムイシキン公爵とナスターシャの揺らぎ続ける身体、その存在。
また、上演後の挨拶も感動的だった。KARAS APPARATUSをはじめてちょうど3年が過ぎ、植物が光と水によって成長を続けるように、アップデイトダンスを、自分たちのダンスを、日々創ってきたという感慨。そこには観客という存在もあってできることの喜び。それらすべてに対する自負と感謝に満ちていて、本当に素晴らしかった。
「細胞は毎日新しくなっている、少しづつ。そして200日ですべての細胞は入れ替わり、また新たな生命となる。私たちはそうやって生きている。老人であっても。日々成長し続けている。同様に、アップデイトダンスを続けてきた。」という主旨のことを語った勅使河原氏。本当に素敵な人だと思った。