COLORS 公演情報 天才劇団バカバッカ「COLORS」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    現代的テーマが...
    現代的なテーマをコミカルに描きながらも、その内容はシュールで心に響く。多くの人に理解できるような、もしくはしてもらうような...行政の啓蒙劇のような感じもしたが...。なにしろ「市議会から様々なマイノリティを加入させるよう 指示されたことから巻き起こる大騒動」なのだから。

    この吉祥寺シアターがある武蔵野市はもちろん、いくつかの市区で”LGBT”に積極的に取り組んでいる。例えば、中央線沿線の国立市では、庁内で実施したLGBT研修を受けた職員が「LGBTバッチ」を着用しているとの新聞報道があったほどだ。

    タイトル「COLORS」は、色々な意味で「共生」を表すのだろうか。

    ネタバレBOX

    マイノリティといっても様々な方がいる。その描き方は小市民感覚から壮大な世界...その先の大きさまで包含した描き方である。芝居的にツッコミどころはあるだろうが、卑小なことに捉われず、その底流にあるテーマなりを楽しみ、考えたい。

    舞台美術は中央に映像が映し出されるが、あくまでイメージのみ。そして舞台上は陸橋のような階段を真ん中で断ち、それぞれの片側階段を可動させる。またシーンによって部屋をイメージさせる衝立を配置したりする。物語の展開は、ご当地ヒーロー・市営戦隊ファイブ・カラーズが中心になるが、その正義のヒーローは固定化しない。誰もがヒーローになり、悪者の役柄に代わる。そしてメッセージは「正義とは悪を作らない」と。

    このマイノリティ、「いない存在」ではない。そして言葉の定義をしっかり行うことが大事だ。確かにLGBTは、性的少数者の総称であるが、同性愛のレズビアン(L)、ゲイ(G)、両性愛のバイセクシャル(B)、心と体の性が一致しないトランジェスター(T)の頭文字である認識。公演でもその説明がされた。
    この公演では、この枠を超えた、さらに大きな範疇で捉えた差別を描くことで、現実にある、そして目の前の差別に警鐘を鳴らす。その観(魅)せ方が実に巧い。

    ストーリーは、あちらこちらに飛び漂流するようであるが、その本筋はしっかりした方向性を指している。すなわち理解され難い人々、マイノリティへの相互理解へ。その物語をしっかり体現している役者陣の演技はキャラが立ち、見事であった。

    また、どうしても移民や在日住民の課題を想起してしまう。こちらの問題は、自分ではフーコーの振り子のように気持の証明(整理)が定まらないのだが…。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/06/18 23:17

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