何か いけないことを しましたでしょうか? と、いう私たちのハナシ。 公演情報 文学座「何か いけないことを しましたでしょうか? と、いう私たちのハナシ。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    初日観劇
    「イエスの方舟」がモチーフとあり、その当時は宗教のおじさんと女の人が集まって暮らしてワイドショーによく出ていたというぼんやりとした薄い記憶しかなかった。舞台の説明から内容的に少し重いことにも突っ込むのかな、と思っていたら少し印象が違ってた。
    カトリックとも無縁な人生ということもあり、そっちの方も切り離して見てれば良かったのかな。

    昭和の好景気に入る頃、東京オリンピックを控えた時代が舞台。
    世間を騒がせるつもりは毛頭なかったのに、とあることで大衆の目に晒され袋叩きにあい、世間の目から逃れるように南九州の寂れた港町にやってきた女性たちの話。
    盛り上がりそうでそうでもなく、前半の展開がやや淡々とのんびりしてたので、物語と信者の女性たちの世界に入り込めない食い違いの様な感覚もあり。個性的であるけどなんか地味だった。

    それまですがっていた人は身体を崩し不在のまま。信じていたことがなし崩し的にひっくり返ったことの戸惑い、世の中や他者の考えがわからないまま、おっちゃんに畏敬と救いを求めながら、自分を信じることを貫く戦中戦後を生き抜こうとする女性達の疎外感と逞しさは感じた。
    唱歌、童謡、歌謡曲と美声に聴き惚れる。文学座男優陣も声出演。
    約125分。

    ネタバレBOX

    印象に残ったのは、春子さんと地元女性の小玉さんくらいかな。

    姿は見せないおっちゃん先生の(声は中嶋しゅうさん)本妻だけど、果たしてこの言葉も適してなさそうな立場だけど、その春子さんは知らず知らずのうちに、みんなをひっぱる力強い性格に変わったんだろうなと思ったが、それに素直についていき働くことが生きる喜びに変わっていたんだろうなと感じたり。
    地元女性の小玉さんの読んで聞いた上での聖書の内容ぶった切りに笑え、親切かつおおらかな人柄の良さ、感情を素直に発揮する姿は南九州の女性像そのもので似合ってた。
    エンディングのゴスペル調で歌い踊る様は、和製「天使にラブソングを」みたいでカッコ良かったです。

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    2016/06/04 17:12

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