満足度★★★
初日観劇
「イエスの方舟」がモチーフとあり、その当時は宗教のおじさんと女の人が集まって暮らしてワイドショーによく出ていたというぼんやりとした薄い記憶しかなかった。舞台の説明から内容的に少し重いことにも突っ込むのかな、と思っていたら少し印象が違ってた。
カトリックとも無縁な人生ということもあり、そっちの方も切り離して見てれば良かったのかな。
昭和の好景気に入る頃、東京オリンピックを控えた時代が舞台。
世間を騒がせるつもりは毛頭なかったのに、とあることで大衆の目に晒され袋叩きにあい、世間の目から逃れるように南九州の寂れた港町にやってきた女性たちの話。
盛り上がりそうでそうでもなく、前半の展開がやや淡々とのんびりしてたので、物語と信者の女性たちの世界に入り込めない食い違いの様な感覚もあり。個性的であるけどなんか地味だった。
それまですがっていた人は身体を崩し不在のまま。信じていたことがなし崩し的にひっくり返ったことの戸惑い、世の中や他者の考えがわからないまま、おっちゃんに畏敬と救いを求めながら、自分を信じることを貫く戦中戦後を生き抜こうとする女性達の疎外感と逞しさは感じた。
唱歌、童謡、歌謡曲と美声に聴き惚れる。文学座男優陣も声出演。
約125分。