満足度★★★★
「老い」への恐怖
ずっと目を背けていたものを目の前に突き付けられる思いがしました。1回目の観劇ではボケや認知症というものに思いが至りませんでしたが、そこを理解した2回目では一気に「老い」というものが怖くなりました。舞台上に表示された、年齢を現す数字の変化するスパンが少しずつ短くなっていくのも、人生の怖さを煽っているように感じました。
いつか自分が電車で席を譲られたとき、どう思うのか。あるいは、「シニア割」の看板を見て、自分がその対象に含まれていると気づいた時、どんな気持ちになるのか。逃れられない「老い」という現実を、どのように受け止められるのか。
お前はそのままの生き方で良いのかと、問い詰められているようでした。