満足度★★★★
気持ちいい感じのフィーリングっぽいみたい。
関西からの遠征という事で、口コミにも揺れ、ついつい王子まで出かけた。
パフォーマンス部分に長け、音楽に合わせて見事な集団の動きを見せるが、「物語」との適切な相互干渉があって、パフォーマンスの一挙手一投足に「演劇的」でないニュアンスが微塵も無いのが見事である。演劇として成立した舞台。
スクエア(四角)の空間を巡る法則的なものもあって、その「演劇的な」説明も周到になされる。アドリブ的な小休止的な時間も活用しつつ、そつなく先へと進めていく。
異空間での事象を心地よく謎めきながら見て行くうちに、各登場人物の背景が語られ始めると、やや混沌として来る。しかし終盤に畳み掛ける「パフォーマンス」は、その中で謎解きの最終段階の説明を担わされ、場面の色彩の変化もその中にある(音楽だけは相を変えながらも同じリズムで続く)。
ストーリーを語る演劇ではあるが、この舞台の核はやはり音楽に乗せてなされる集団ムーブ、踊り、ロープを使ったパフォーマンスだ。技術を見せるのでなくそれによって表現されるものがあるのだ。特にロープを用いたそれは複数の協力でなされ、人が入れ替わり立ち替わって「進行する何か」に奉仕する。動きは美しいばかりでなく、常に含意がある。そこに感動が生まれる。