車窓(まど)の外は星の海 公演情報 風凛華斬「車窓(まど)の外は星の海」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    演出、演技に魅力がほしい
    物語の構成は面白い。タイトル「銀河鉄道の夜をモチーフに、この春、風凛華斬が送る心温まるファンタジー 『車窓(まど)外は星の海』 命の最後に訪れる選択…あなたならどちらを選びますか?」 からファンタジーをイメージしたが、その内容は真逆かも...。上演時間2時間弱で面白い物語であるが、その内容を体現する役者の演技に魅力が...。そういう意味では勿体無い。

    素舞台であるから演技力がなければ、その物語は動かない。人の思い遣り、愛憎が交錯するという人間ドラマは、その心理描写・情景描写がしっかり描ければ面白いものだったと思う。個人的には好きな展開であるが...。

    ネタバレBOX

    梗概は、説明引用し「事故で命を落とした明日香は、魂だけの存在となり「銀河ステーション」に辿り着く。 そこは、転生のために乗り天上へと旅立つ「白い列車」と 今のまま永遠に銀河を彷徨い続ける「黒い列車」のどちらかを選び乗り込むための場所だった。 「黒い列車」には生きた人間を連れて乗れるという。 憎い相手に永遠の苦しみを与える事も、 愛しい者を永遠に自分のものにする事も可能だという。 たった一人の肉親である兄、タクトと別れ、安らかな転生を選ぶか それともタクトと共に永遠の旅を選ぶのか」と...。その死…なぜ死んだのか、その原因は何か、実は殺害された。では、どうして殺されなければならないのか。兄妹を中心に周りの知人が絡んだ推理。そして犯人は…。

    作風は、サスペンス・ミステリーというイメージである。物語としては面白いと思うが、その観せる力が弱い。
    例えばストーリー展開において、その人物造形がないと、行為の動機・原因が鮮明にならない。また結末に向けての展開が強引のようである。ミステリー仕立てであるので、その事件の全貌を明らかにする過程において、伏線をめぐらせておくなどの工夫が必要。恋焦がれている素振り、兄・妹に対する嫌悪感などがある。そして自分の死を簡単に受け入れてしまう疑問。死(後)という感情の重みが伝わらない。またステーションの担当案内人がその世界のルールを無視してでも助けようとする理由などは、カーテンコール後に明らかになる。それらは全て台詞で説明し、その状況や雰囲気から察することが出来ない。それを体現する役者の演技力(表情含む)に情感がないため、感情移入が出来ない。観客(自分)は演技を眺めているだけ。

    脚本は面白いと思えるだけに勿体ない。白列車、黒列車の選択についてその緊迫感がない。それだけこの世界に時間という概念がないのかも知れないが、明後日とか明日という台詞もある。その期限に対する切迫感もない。また小物(ナイフ)は、お粗末なもの。次回予告の説明時に使用する太刀...その刀身は美しい。それだけにナイフも緊張できる物を使用して欲しかった。

    もう少し丁寧に描くために、演出に工夫と役者の表現力があれば...。重ねて脚本は面白いと思えるだけに勿体なく残念である。

    次回公演を楽しみにしております。


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    2016/04/11 00:33

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