レドモン 公演情報 カムヰヤッセン「レドモン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    うちゅう人
    物語の中の宇宙人が様々な立場で苦しんでいる在日外国人と重なって見えた。

    ネトウヨやヘイトスピーチが大手を振る昨今、この作品の問いかける意義は大きい。

    高史明さんの息子で12歳で自死を選んだ岡真史さんの詩「ぼくはうちゅう人だ」を思い出した。

    ネタバレBOX

    設定はとても素晴らしいと思うが、内容には不満が残った。

    全体として、予想していた物語を裏切らなかった。物語を単純に構造化しているため、人間の複雑さの細部までは描かれていない。そう思ったが、おそらくそれは、私がこの作品を、現在の社会問題と重ねて見すぎているせいだと思う。それに私が批判的に見た部分こそが、エンターテイメントとしての完成度を上げている点でもあるのだから、必ずしも悪い側面だけではない。

    また、最後に両親が娘をひとりにして逃げるが、その点にリアリティが感じられなかった。この作品に描かれる親が、そんなに簡単に娘を残して逃げられるとは思えない。状況から、他に選択肢がないにしても、本当ならもっともっと痛みをともなうはずだ。その点において、父親が相当冷酷な人に見えてしまった。そこに人間の冷淡さ(両義性)を描いていると言われれば納得するが、全体として他のシーンはそういう複雑さを内包していないため、そこだけが変に引っかかってしまった。

    と、厳しいことを書いたけれど、この設定で作品化したの意義はとても大きいと思う。

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    2016/04/08 09:36

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