満足度★★★★
シナリオが浅い 役者の熱演は評価するが
子供の頃、誰しも一度くらい巣から落ちた雀の雛を巣にもどしてやろうとしたり、親から戻してもまた落とされるという話を聞いて自分で育てようと奮闘した経験はあるだろう。タイトルのBlack Birdは、日本で言えば雀のようなどこにでもいる小鳥の名だと言う。つまり、特別であるという属性は予め剥ぎ取られている翻訳劇である。然しながら、慣習に逆らう者への差別や無視、排除は相変わらずシビアな様子が作中で語られる所を見ると、作家は、未だタイトルの意味する所と作品の内容との齟齬を充分咀嚼できるだけの力量は無いように思われる。イギリスの作家であるようだが、いかんせんシナリオが浅い。否、浅すぎる。(追記後送)