満足度★★★★
12年ぶりの東京公演
「変」な「態」を体感しに行く。もっとも、後半しか見られず(無念)。 無声、身体パフォーマンスなのでカテゴリーとしては舞踊に近いかもだ。音楽の存在が大きいのも同様。上手前のエリアで、三人のミュージシャンががっつり生演奏する。key、sax、bass担当が、各自色んな楽器(主に打楽器系)を駆使し、リノリウムの床と三方を黒幕に囲まれた黒い舞台での「現象」と、呼応しあう幻想的・土着的・イメージ探究的な音(楽)を響かせている。
総勢十数名の肢体障害の男女が、それぞれの色(青系幾つか、赤、緑)のタイツ姿で、丸刈りでない者は皆髪をオールバックになでつけて登場する。多数の移動の形は横転がりで、ゴロゴロ、ペタリと回転する。
多彩な場面が照明と音楽の転換によって連ねられ、主宰の金満里(自身も出演=女性)が綴った言葉のイメージを具現した場面が展開して行く。
音楽を筆頭に優れたスタッフワークによる舞台を、最終的に実現させたものは恐らく主宰の金氏の情熱、あるいは資質だろう。最後の挨拶に「寝そべった」状態でマイクを持って喋る風情に、そのことを感じた。