いつか見る青い空 公演情報 弘前劇場「いつか見る青い空」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    一服してがねが?
    30周年を迎えた弘前劇場、待望の新作。
    男の格好良さ・不器用さ、そのまわりの女たちを描く、ハードボイルドだ。

    長谷川孝治の戯曲は哲学的な側面を多く見せてくる。
    普段そんなこと話さないだろって面を見せると、そこに茶々を入れたりする。
    そのバランス感覚がなかなかに冴え渡っている。

    何よりも、今回は長谷川等。
    ずっしりどっしりとした津軽衆の親分肌を見せつけられた思いだ。
    何もそういった役回りはマーロン・ブランドや高倉健だけのものではない。
    津軽には津軽のハードボイルドがいるということだ。

    題名は福士賢治が喧嘩の加勢に出ようとするところを止める場面での一言。
    椅子に座って背中で語る、「一服してがねが?」
    気障じゃない格好良さが伝わるだろうか。

    ネタバレBOX

    やはり、今作で特筆すべきは最初と最後の場面の緊迫だろう。
    福士と田邊克彦の静謐ながら鬼気迫る対峙は見応え充分。
    語られぬところを読み取るのも、長谷川戯曲の楽しさでもある。

    これはもう余談なのだが、弘前劇場の人材流出が激しい。
    『地域と演劇 弘前劇場の三十年』を拝読して初めて知ることとなった。
    弘劇は、長谷川の方針なのか、退団の発表等は特にしない。
    一ファンとしては、淋しい限りである。

    0

    2008/11/10 20:25

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大