満足度★★★
『ミリガンの階段』
『ミリガンの階段』
1994年の『 時間(トキ)がこぼれた街 』を観て大泣きした小野寺丈さんの一人芝居を22年ぶりに観劇。今回はあの時ほど泣けはしなかったものの、オムニバス形式の短編が繋がって一つの物語になる独特の上演スタイルや、終幕に向けて畳み掛けるように心に訴えてくるあの感覚は今も健在でした。懐かしい「さくちゃん」の登場にも、あの頃の風景が蘇る思いです。
しかし、さすがの小野寺さんとは言え、50歳を迎えたお身体一つで2時間の舞台を維持するには、長めの休憩も必要だったのでしょうか。幕間に挿入される映像部分は少々長過ぎに感じました。舞台上に誰も居なくなる時間が長過ぎると、観客は舞台芸術を観ている緊張感が途切れてしまいます。
映像自体もあまり舞台世界との接続が感じられませんでした。プロローグの「ドアを開けるチャンスは5回」という制限も特にドラマを生む事無く、立ち消えになっていたように思えます。
(ネタバレBOXへ続く)