満足度★★★★
家族の戦いは続く時間をバラバラに解体して演じられる、ある家族の風景。医者の仕事に対して真面目な分、余計に傍若無人ぷりが際立つ父親。父の暴虐を許した社会は、それ自体に暴虐さを有しており、父親の死も無慈悲な社会の犠牲になったかのように映る。父という大きな存在を失った後にも残された家族の戦いは終わらない。弱々しい家族の有り様のなかで、理不尽な父に寄り添い続けた母の強さが際立つ。母の強さがあるからこそ、この作品は『夫婦』と名付けられたのではないか。
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2016/02/19 16:07
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