満足度★★★★★
そこに
天使がいた。何度も大きく息を吸い込んで、人間と天使の間を行ったり来たり。天使は、気持ちよくがんじがらめにされていて自由…なのだそうだ。究極だ。大切な人とのしがらみを持ちながら、それが自由だと感じるなら。●天使を中心に集った彼等はとても純粋だ。けれど同時に歪んでいる。だからヒズミが生じる。「子どもを産んでみたい」は、ずっとワタシも言っていること。男が女に叶わない最大の要素。男で出産経験があるのはシュワルツネッガーだけ。●多賀麻美さんはズルイ。多賀麻美さんはズルイ。多賀麻美さんはズルイ。あの透明感は奇跡だ。紛れもなく天使だった。まるでアニメの中から飛び出して来たような可愛らしさ。あの柔らかな笑顔で見つめられたら、みんな天国に昇る。●男の子たちの 女王で、女の子たちの王子でありながら、とても人間的な嫉妬心を持つ麗しの美人を、大好きな水野小論さんが好演。ハイヒールにダメージデニムパンツの、なんと眩しいことか。誰だってクラクラして奴隷になる。●ガンタムくんに自分が重なる。大好きな人に頑張って近づきつつも、一歩踏み込めず『どうせ…、これくらいが限界だ』と自分を納得させて傷つくことを回避する。残念だ。まったく残念だ。それにしてもキャスティングが見事。天晴れ。●個人的に対面舞台や囲み舞台は苦手。まず客席の顔が気になって集中出来ない。そして、死角となる場面が多い。客に不親切な演出だ。演技方向を限定しない姿勢は日常性を高めるが、『あぁ、あっちの席の方が…。』と考えて集中出来ない。●初日とピッタリ点対称になる席で観劇。全く違う世界が広がった。みんな正直で、いい人間ばかり。だから、自分に起きたら大変だろうに、終演後の足取りが軽いから不思議。●好きな人が他の人を好きになることを祝える人間にはきっとなれない。天使の宣言にも矛盾を感じる。だけど、天使たちが愛している人に自分以外への愛が生じたとき、受け入れられるモノだけでなく動揺したということが、腑に落ちた。●アリスが虎とフォークで戯れた後に席を立ち、タブレットを持って戻った時の表情の柔らかさが印象的。この二人に対して天使が想像したこと…当たっていると確信して妬けた。困り顔も苛立ち顔もイイけど、柔和な表情の水野小論さん最強。