Summer House After Wedding 公演情報 燐光群「Summer House After Wedding」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    バランスの良い舞台
     難民・移民問題が、殊更にクローズアップされる時代になった。

    ネタバレBOX

    無論、根本にあるのは南北問題や、グローバリゼーション、米英ソ(露)中仏等の覇権争いと新植民地主義による収奪の構造や傀儡による支配に対する反逆とアンチグローバルというグローバリゼーションによる被収奪サイドの連帯も分断・離合集散の憂き目にあって、泥沼の内戦、局地戦、三つ巴戦などが戦われている訳だ。
     その為、難を逃れて命からがら安全を求めて祖国を去らなければならない人々が後を絶たない。それほど軍事的ではない場合も、欧米の水産業に水道利用の権利さえ奪われ盗水などをしなければ生きて行けないフィリピンなどの国もあれば、シオニストのように、パレスチナ人の水源を奪って自らに給水するようなことも為されている。当然、軍事的力を背景に国際法を無視し、踏みにじって行われているイスラエルのこのような行為に対し、心ある人々は声を上げているがシオニストに社会的正義の観念は通用しないらしい。戦争犯罪に於ける人道の罪ばかり犯している。尤もこのイスラエルを支えているのが、これまた人道の罪ばかり犯している世界最悪の軍事大国アメリカであるから、イスラエルが心ある人々の非難を歯牙にもかけないのも力が支配する国際政治上は問題ないらしい。然しながら、このような状態で憂き目を見る人々は、今よりましな生活を求め、或いは他国へ出稼ぎに行く。今作は、こんな国際的出稼ぎをしているフィリピン女性を軸に彼女と恋に落ち結婚したものの、日本人の夫との間に生じる文化・慣習・生活上の常識の差、言語上のミスマッチ、宗教に対する態度、日常に対する態度差、子供の養育権等々や在留外国人に関わる法的問題など多くの問題を、女性作家が実際に取材して書いた作品なので、各々の問題が具体的にキチンと提起されている。同時に坂手氏の演出によって極めてバランスの良い作品に仕上がっている。
     海というモチーフがメタファーとしても機能し、国境・民俗・民族など様々な問題を超え、繋がる可能性を秘めた深み・広がりとして描かれている点もgood!

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    2016/02/01 00:17

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