満足度★★★★★
これまでの
これまでの試演会の中で最も歌の多い公演ではなかろうか。しかもその歌がフラメンコ。あまりに日本人の血の中には無い歌だ。だから舌に乗らない。しっくりこない。なのに気持ち悪くはない。それは紛れもなく、歌の力と、歌い手のポテンシャルの高さによるものだ。民族の問題は根強い国だと理解はしていても、結婚に対する考え方に恐ろしささえ覚える。本来魅力的に映る花嫁に、こんなにも気持ちが寄り添えないことに驚いた。演じた八幡みゆきさんが好演していたからこその嫌悪感だと思う。女性の二面性に驚愕する。母親役の岡崎さつきさんは、怨念の凄みを、恵まれた上背に見事に纏っていた。最も印象的だったのは女中の竹内香織さん。誠意と愛情と時折見せる皮肉めいた振る舞いもしなやかに存在していた。小柄ながらも存在感がある。観ていて楽しい。今後の活躍を確信した。