天邪鬼 公演情報 柿喰う客「天邪鬼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    天邪鬼
    柿喰う客の本公演は1度観ただけでは詰まってるものを拾いきれないことが多いけど
    今回はまた一段とそんな作品。


    結局5回も観てしまったのだけど
    それでもなんだかよくわからないのです。

    こんなこと書くと
    そんな作品どうなの?と
    思うかもしれないけど
    私にとってはとっても面白くて好きで
    やみつきでした。

    ネタバレBOX

    でも嫌いな人もいるはずだから観てみないとわからない。


    今回は開演前の(開演してると思うけど)
    ところでも
    「来るもの拒まず 去るもの追わず」と言っていて。


    『天邪鬼』は中屋敷さんが今までのものより
    お客さんのことを考えずに書いたものとパンフに書いてあり
    前述の言葉が響く。


    それなりの覚悟を持って
    来年10周年を迎えるこの団体が打ち出してきたもの
    私は好きと思える作品で良かった。


    前回の『世迷言』、女体シェイクスピアはそこまでガツンとこなかった。
    世迷言は好きだったけど
    そこまで衝撃的ではなく。

    それが今回の『天邪鬼』は『無差別』に近い衝撃を感じて
    また観たいって欲が出た。

    劇団員だけというのも良かった。
    世迷言客演の笹井さん、トミーさん、あっちゃんも良かったのだけど
    柿喰う客劇団員のユニゾンの強みは
    普段からの意思の疎通や共有がなせる技なのかなと思う。

    公開稽古でウォーミングアップとしてやっていたゲームが高度過ぎて
    アレを見ただけで他所の劇団とは意識が違うのかなって感じる。


    初日観たあとは本当にどっと疲れて
    (梯子観劇だったというのもあるけど)
    ビックリした。

    感想もまとまらない。
    でもこういうのが私にとって好きであり良い作品なんだろうな。
    何がどう良いかわからないんだけど
    また観たいと思えるっていう。


    涙が出る意味もわからず
    ただ圧倒される。

    「拍手はどうかご容赦ください。それは閉幕の合図」
    ここのあまのじゅんやくん(玉置玲央さん)の圧にやられる。
    虚構の世界に居させてくださいって懇願。

    って思ったらしょうじきよしくん(永島敬三さん)の
    「僕は本当は帰りたい」からの告白。

    怖い。
    何が実で何が虚なのか。
    子どもなのか大人なのか。
    もう何が何だかわからない。

    いつもより笑いの部分が所々に織り交ぜられていて
    こちらの気持ちが緊張と緩和の繰り返し。

    それで余計に何だか
    わからなくなってる気もする。
    演劇的に何とか効果とか言うんだろうか。

    育児放棄、幼児虐待、人種差別、侵略、戦争、
    今の世の様々な問題の要素が含まれているのだけど
    さらっとしているようにも感じる。

    (しょうじきよしくんが灰皿代わりのすり鉢で殴られるところが3人っていうのは
    前に聞いたその行為を軽く見せる効果なのか?
    逆に重く見せてたりする?)

    例えばポツドールの作品とかはすごく湿り気をかんじるのだけど
    柿喰う客が残忍なことをしてるようなのでも
    さらっとして見えるのは台詞のリズムとかが現実とは離れてるせいなのか。

    圧倒的フィクション。

    はじめて観た時、
    あまのじゅんやくんはしょうじきよしくんが造り出した人物なのかなと思ったりした。
    しょうじきよしくんは劇作家きどりってことだし。
    最後の感じも。
    月と太陽みたいな関係?
    二面性みたいなの?

    でも何回も観ると
    違う?と思ったりもして。
    わかんなくなってしまった。

    ワケわかんないんだけども。
    惹かれる。
    なんだろうか。
    大好きです。

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    2016/01/03 13:43

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