レミング―世界の涯まで連れてって― 公演情報 パルコ・プロデュース「レミング―世界の涯まで連れてって―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    寺山と松本のアンサンブル
    言葉の錬金術師・寺山修司を、言葉を解体して変拍子のリズムで刻む維新派・松本雄吉がどう料理するのか。以前のパルコでの舞台を見ていない私は、とてもわくわくして東京芸術劇場へ出かけた。

    率直な感想は、この二人はとても相性がいいのではないか、ということだ。寺山が書いた戯曲に、松本のリズムが妙に調和するのだ。この独特の大空間を作り上げた松本という人物はとてもすごいと思うのだが、何よりもこの演出家に応えて見せた演者たちに拍手を送りたい。

    パンフレットに霧矢大夢がこう書いている。

    これはきっと「正解のない」作品。やる側も見る側も、寺山修司さんの言葉と松本雄吉さんの感性に振り回され、操られながら迷宮に迷い込んでいく。そんな、翻弄されることを楽しめばいいのかな、と。

    まさに至言だ。寺山劇だけでは体験できない、松本劇だけでも体験できない空間に身をおぼれさせるのが一番。2015年の暮れ。池袋には今、ここでしか体験できない異空間が出現している。

    ネタバレBOX

    役者の個性を消す維新派のスタイルだが、維新派そのものの舞台とは違うため、今回は松本演出でも役者がその個性を輝かせているのがいい。個人的には、主役の二人よりも、占部房子の演技が輝いていた、と感じる。

    0

    2015/12/15 22:22

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大