音無村のソラに鐘が鳴る 公演情報 演劇企画ハッピー圏外「音無村のソラに鐘が鳴る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    最先端科学技術を緩く…
    物語は、最先端科学技術の話題であるが、その観せ方は軽妙コミカル。また舞台セットもその演出の延長線上にあるようなマンガに出てくるようなもの。
    公演全体の雰囲気は、ハッピー圏外らしい温かみと優しさに包まれている。現実の宇宙開発事業はロケット発射場のある自治体、政府機関、民間企業における様々な思惑が絡むようであるが、この公演でもリアル社会を投影しているような...。

    ネタバレBOX

    梗概は説明引用させてもらい「民間・音無宇宙開発局はロケット事業の岐路に立たされている。 それまでの無人探査衛星打ち上げから、 宣伝目的の名目だけの有人ロケット開発への移行を迫られていた。 技術、費用、人材、時間不足など、とっても不可能な状況。 局員もやる気を失いかけるが、音無宇宙開発局へやってきた青年により事態は急変する。」という。

    さて、芝居には細かい疑問等が多くある。例えば青年の正体は、なぜ前科者ばかりが集まっているのか、この人数で遂行できるのか、さらに言えばあんなに簡単に脱獄できるのか...等々。
    しかし例えば、母親の胎内にいる赤ん坊が足蹴にするとお腹が凹凸するように、胎内という宇宙の中で暴れているのが「ハッピー圏外」という劇団であるとすれば、大きな流れは大切にしつつ、些事と思えるようなところにも工夫を凝らしもっと大きく成長するだろう。その結果、遊び心という自由”度”は縮小しないでほしい(スケール感は大切)。

    このロケット打ち上げ...宇宙開発には軍事戦略、テロ対策という国家的側面と軍需産業、宇宙産業という資本市場がしっかり観える。この社会的な問題の捉え方が鋭く、一方人間の優しく人情という味が感じられる。この”鋭く 緩い”公演は面白い。

    ちなみに、ある新聞によれば、観劇した2015年11月には今まで打ち上げてきたロケットを改良し、人工衛星に優しいロケットを打ち上げる予定であるとか。その意味で、脚本・演出の内掘優一 氏の先見性に驚かされる。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/11/18 11:30

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