満足度★★★★
生きるという事
偉人でもなく、中流の何不自由なく安穏と人生を流れていく事も出来ず、必死にならないと生きていけない人々。
必死になっても、なおかつまだ苦労を強いられる人々。
「生きる」ということを強烈に再認識させられる作品であった。
しかし、何故だか皆明るく感じる。必死さ故か?個人的には、もっと暗い部分が普通の感覚でベースに流れていても良いかなとは感じた。
やけくその宴会の無理な弾け方が強調されたら、この物語に更なる深みをもたらした筈だと思う。事実、救われない人々なのだから(作者もそういう筆致で物語っていると思う)
「おばけの太陽」からの繋がりは終盤見事だった。
しかし、ハジメの性格の変遷の道筋は示されなかった。少年期のハジメは妙に明るい。その明るさが素直な彼の素性をよく醸し出しているのだが、青年・ハジメと結びつかない。不満が残る。
作品としては、非常に真摯に、一所懸命創りこまれたとても良質な物語であり、愛すべきお芝居である!!!
次作にも非常に期待している。(この連作はどれも初観劇なので)
よろしく!桟敷童子の皆様!!!