八重咲ク 公演情報 劇団KⅢ「八重咲ク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    もう少し説明が...
    架空戦国時代における積怨・復讐の連鎖と繰返し、そこに人間の正邪心の葛藤、または理性と感情の相克が描かれる。本公演は三部作のうち、第二部にあたるという。前話との繋がりの説明がないと分かり難いと思う。登場人物が多く、この公演から観るとキャストの素性と立場の整理が必要になる。相関図が書かれた当日パンフがあるとよいのだが。
    気になったところは...

    ネタバレBOX

    冒頭この物語を動かす人物が登場し怨嗟を語り、その結末がラストシーンになってくる。物語は単純な勧善懲悪ではなく、現れる集団(グループ)の現在における対立軸と過去の因縁が無条件(説明なし)で示されるため、ストーリーを追うことだけに終始してしまう。さらに人の魂を喰らう”鬼”も出現し、戦場を跋扈する。乱世を平定する、そんな崇高な理想は現実の戦闘(殺人)という非道な行為の前でどう気持に折り合いを付けるか。その心の在り様によって自分の中に鬼が棲むことになる。このリアル集団という複対立軸、歴史という時間軸、気持の葛藤という心軸が場面ごとに錯綜するため混乱する。

    一方、衣装・化粧などのビジュアル面とアクション・殺陣は迫力...と言いたい所であるが、殺陣に関しては場面に巧・稚があり、その実力は均一化できていない。殺陣は連続したシーンとして構成しているが、そこに濃淡が出ては勿体無い。脚本が分かり難い分、観せる部分で芝居を牽引してほしかった。
    一番気になったのは、脚本と演出・舞台美術がもう少し有機的であれば...。

    この舞台セットは、城壁を思わせるような建屋(石垣をイメージ)、上・下手の階段状になっているところには唐草模様が見える。また大きく「丸ニ山桜」の家紋が掲げられているが、その花弁の一つが朱色である。自分のイメージであるが、それは血塗られているようだ。色鮮やかであるが、不吉な感じもある。物語全体を印象付けているようだ。

    この公演、物語(背景)は大きなスケールで描いているようであるが、その壮大感が表現しきれていないため勿体無い。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/11/09 19:27

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