満足度★★★★
楽しいひとときであった。
ライオン・パームは,これで四回だ。最初は,王子で観た。このときたいへん印象的だった。その後,回を重ねてメンバーの顔もなじんでいる。この劇団の魅力は,ひとりひとりのキャラクターが強烈だということ。一度会ったら忘れないような濃い,なんらかの特徴があって,その寄せ集めだと思う。
今回は,非常におもしろかった。例のごとく突然会場から亀が出て来た。カメが,いじめられていつのまにか,竜宮城に。いじめの現場をYouTubeにアップすることで,手を汚さず警察権力を意のままに動かす,そんなことが皮肉られていた。このあとなぜか,太宰文学の世界に突入する。
走れメロスの世界観を,これでもかと思うくらい変形させていく。そこは,不思議のアリスがからむ。ただ,メロスをからかっているかと思うが,結構工夫されていておもしろかった。今回一番おもしろかったのは,歌上手なあやの演じる役が,頻繁に,女将さん役の女性と早変わりしたところだ。
ほかにも,ピストルのことは,はじき。など,ハードボイルドというか,サスペンス劇場という世界は,言葉の使い方に特徴がある。そのあたりをコントにいて笑いを取っていた。王子での,『タンパン』あたりのことも懐かしく思い出した。楽しいひとときであった。