満足度★★★★★
「デッサンから油彩へ」よりは「小説の実写化」な印象
今まで観てきたリーディングから一般的な芝居にしたものや、ひつじ座やRAFTなどの小会場から普通の劇場へスケールアップしたものは、謂わば「デッサンから油彩へ」という印象だったが、本作はその範囲を逸脱。
リーディングで(勝手に)思い描いたイメージと異なり「あ、そこはそういう風になるんだぁ」という部分があり、それはたとえば小説やマンガを実写化されたものを観た時のような感覚で、これが演劇では初めてだったので新鮮。
もちろんイメージ通りだった部分もあるし、観ながら記憶が蘇ったりもしたし、何より須貝作品の特色と言って過言ではない優しさが漂っているし、なのですっかり引き込まれる。
それにしてもあの学芸員、出番が少ないくせに終盤でオイシイところをさらって行くよなぁ…(笑)
あと、どちらかと言えば淡々と進行するのに不思議と引き付けられるのは単館レイト上映される映画に近い味わい?