満足度★★★★
親殺しのパラドックスなのに!?
今年はなぜかタイムリープ系の脚本が多い!(ラススマ、時206、関ヶ原)西永さんの時間操作も目から鱗で面白い!時間は超越しているのに、お互いは会わないで交流を持ってると言うのが斬新。
時間超越はキーなんだけど、物語の主軸は”家族”とか”信じること”だったりするのが、西永さんらしさなのかなぁ。袴田さんの舞台美術がとても素敵で、本当にリアルな純喫茶だった。その舞台上で12人の俳優がひしめき合う。誰も一歩も引かない。男くさいのに温かかったな。
登場人物の名前に必ず数字が入っているという、小さなつながりも面白いなぁ。M0の曲(劇中にも使われていたけど)、空飛ぶ猫☆魂ではお決まりの曲なのかな?聞き覚えがある。おそらく、前作の時に聞いたんじゃないかな…。自信ないけど。あの曲、けっこう好き。
場面の切り替わりでちょっと間が生じたりしていたけれど、いろんな段取りを踏むには仕方ないかな。あの時間の表し方は分かりやすいね。
チラシ・チケット・パンプレットの写真がマジでかっこいい。モノクロなんだけど、人物がいきいきしている。キャストが40代、30代、20代、とそれぞれ脂の乗ったキャスティングで、その良さが出てる。(蜂巣さんは、文字通り脂が乗ってるけど。)
空猫の佐々木さんと西さんのコンビは、非の打ちようがない!芝居以外に牽引力もベクトルも物語の温度も、的確にだけど勢いよくやっていたように感じた。長戸さんの芝居も繊細で、この3人の終盤のやりとりに落涙。
平野さん、ロンさんのコンビが対になってるのもズルい(笑)。上手に歳をとりすぎてる(笑)。なのに、熱い。福澤さんは2015年の方が個人的に好きです。
程島さんは迫力ありすぎて怖いくらいだし、武田さんのキャラ作りも楽しい、蜂巣さんの面白さと繊細さの両立がすごい。
渡辺さん(しんにぃ)と竹林さんの不幸ペア、闇が垣間見えるのに憎めなくて、なんだかちょっと笑えたりもするから不思議。
伊智さんのコメディセンスが爆発。10年振りに拝見したんですけどね、とても素敵な俳優さんに成長なさってた。イケメンなのに笑いにも振り切れるのがすごい。
男性ばっかり。むしろ、オッサンばっかり。だけど、人生を語らせるには説得力がある。若くて実力のある俳優もいいけど、芝居から生き方とか人間とかを感じるにはやっぱりある程度の年齢を重ねた役者さんの演技じゃないと深みが足らない。だから私は年上の役者ばっかり好きになるんだろうな。
空飛ぶ猫☆魂「ゴールデンバードバラード」。新宿シアターブラッツにて12日まで。味のある芝居が観たい人にオススメ。
TLPTの狂人達は、どうせなら、「炎の蜃気楼」とハシゴすればいい。炎ミラの脚本は猫空の西永さんなんだよ。(豆知識)