鳥取イヴサンローラン 公演情報 ロ字ック「鳥取イヴサンローラン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    女、女、女を感じる
    第一印象は面白かった!
    話はありそうな内容で新鮮味がある訳ではないが、その観せ方が凄い。小説であれば、その言葉や文章から読者が想像力を発揮しその世界を広げるが、芝居は視覚に訴えるので、その印象は言葉や文章にし易いと思っていた。しかし、この公演ではどう表現しようか難しい。表層的には、”女”の身の下話であるが、それをどう書くか...媚、嫌、妬、姦など、女の付く漢字が入り乱れたような感じである。そこに描かれた女は、多少デフォルメしているが類型化される。その内面の表現し難いところをしっかり伝(観)えるところに驚かされた。そして紛れもなく体現しているのが役者陣(女優はみな愛らしい)である。この汗の迸りと女臭が、だんだんと慣れて熟れて雰囲気を醸し出す。それは匂いに変化して来るようだ。

    ちなみに、女の又(股)に心が絡むと 怒 になるが...そう言えば 股 のシーンもあったような。

    ネタバレBOX

    舞台は、下北沢にあるスナック・イヴサンローラン...その店内セットが素晴らしい。上手にソファー席、下手はカウンターとスツール。中央は玄関に通じる通路、トイレ等があるという設定である。カウンター後ろには酒棚が見える。

    ここで働く女が客を取った取られた...要は枕営業なのか真剣恋愛はあるにしても身の下の痴話喧嘩。その騒動、物語としては目新しくはない。しかし、その情痴の果てが凄い。
    さて、この鳥取からの女性...父親はこのスナックのママと愛人関係にあるという。父親、ママはもちろん、母親も登場しない。よく母・娘の関係は同性という中で葛藤もあると聞く。では、娘にとって父親の愛人が経営する店で働く、そして会ってみたいという感情とは...。男の自分には気になるところ。

    自分は鳥取県に3度行ったことがあり、そのうち2回は砂丘見学もした。
    その鳥取のタイトルに因み、その砂丘の特産である ラッキョウ の話がでてくる。鳥取から来て働いている女は この地元特産が嫌いだという。臭いがその理由。しかし、ラッキョウ は体に良いらしい。血液をサラサラにするらしい。あぁ、ロ字ックはドロドロが売りの芝居、だからラッキョウは嫌いなのかも。
    また、「砂の美術館」もある。砂で作られた彫刻「砂像」を展示している。砂は長期保存ができない。数ヶ月後には後世に伝えることなく作品は壊される。
    本公演もライブ...同じ公演は見ることができない。今しか観れない、その意味で今回観ることができて良かった。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/10/08 18:13

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