回転木馬は歓びの夢をみる  ~未解決事件の終幕~ 公演情報 削除「回転木馬は歓びの夢をみる ~未解決事件の終幕~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    テンポよく飽きない
    それほど広くない絵空箱の空間が、ベートーヴェンの交響曲(第九番)を演奏している音楽ホールのように感じた。もちろん、その音楽を聴かせているという効果もあろうが、舞台・客席の組み方がよかった。このBarに併設されたスペースで行っている芝居を何回も観にきているが、その客席作りは、囲む又は一方向側かにしても、多くは雛壇であった。今回は段差をなくして、客席はフラットである。逆に演じる舞台は、高低差のある階段状になっており、その一段高くなった所で指揮を行う。それは憑依している人物であるが...。この実在指揮者と憑依の幻覚(厳格)指揮者の投影から同化へ、その鬼気迫る姿が印象的である。しかし...
    (上演70分)

    ネタバレBOX

    この人物・松山コウスケ(町屋圭祐サン)の表裏一体と化している、その原因・要因が理解し難い。一応、同一人物における二面性(二重人格)として捉えたが、ラストは清浄されたような姿...どのようにして自己変革を成し得たのか、それまでの自信に溢れていた人格が簡単に変わるのかという疑問も残った。

    この物語で松本清張の推理小説「砂の器」(1974年、野村芳太郎監督で映画化)を思い出した。15年前の一家惨殺事件...その犯行の隠蔽、富豪令嬢との婚約、栄誉と欲望など人が内包している醜悪な面を描く。本作では、人格形成される過程が、過度な期待、裏切り、誤解などの要因が散りばめられており、納得性も十分ある。疑問もあるが、ラストの心情は悔悟であろうか。

    気になったのは、この物語を担う役者陣である。演技は皆熱演であり観応えがあったが、特に松山コウスケ、アイツ(蛸谷歩美サン)の2人が目立つ。演技のバランスが悪いというほどではないが。回転木馬の如く心地良い(酔い)テンポは、最後まで飽きさせない。

    次回公演も期待しております。

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    2015/09/29 18:30

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