『心中天の網島』 公演情報 木ノ下歌舞伎「『心中天の網島』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
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    ネタバレBOX

    木ノ下歌舞伎の【心中天の網島】を観劇。

    今作は前作、前々作とは演出家が変わり、羽衣の演出家・糸井幸之助が登場だ。
    羽衣は、妙ジーカルという一風変わったミュージカルを手がけているのだが、その演出家が歌舞伎に挑むのは見ものではあったが、これまた何時も通りの妙ジーカル風な歌舞伎の心中物語を作ってしまったのである。

    治兵衛は妻子がありながら、遊女・小春と逢瀬を重ねている。
    そして数々の苦難を乗り越えて、ふたりは死への道行を歩み始めるのだが…。

    木ノ下歌舞伎は何時もながら原作を尊重して、設定だけは変えながらも、内容は変えずに、深い考察の元に登場人物の心に深く入り込んで描いてくる。
    そして今作も治兵衛と小春が何故心中に至った経緯、治兵衛の妻子との生活、小春の無念の思いなど、事細かの人物描写で、観客は登場人物達に魅了されてしまう。
    そしてその人物達たちに生き様に沿うような変な歌のオンパレードが観客の心を更に苦しくする。
    そして全てが出揃ってからのクライマックスの治兵衛と小春の心中シーンに涙せずにはいられない。

    今年三本目ながら、またもや意図も簡単に傑作を作ってしまったようだ。
    そして小春の島田桃子、おさんの伊藤志保、そしてダメ亭主・治兵衛の日高啓介が素晴らしいが、個人的には島田桃子が好きなので、彼女が一番である。

    今作はお勧めである。

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    2015/09/29 13:00

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