ふたりカオス 公演情報 劇団6番シード「ふたりカオス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    思わぬ深さと全員カオスぶりに感激!
    ぶっちゃけ自分の中で6Cさんって
    「超名作」と「そうでもない作品」の混在している劇団、
    というイメージがあります(今のとこ)。
    ※ 名作が超名作過ぎてFC入ったりしたのですが( ´ー`)


    今回は再演との事でしたが
    「面白そうな役者さんがいくつもの喜劇っぽい短編で
    絡み合うのが観れればそれだけで満足」と
    前情報ほぼ0での観劇でした。


    いやあ、想像をはるかに超えて深かったです。
    自分の中で「これはいったい誰が、どう締める?」など
    物語の先を想像せずにいられない上、
    単なる喜劇ではない、
    一筋縄ではいかないそれぞれの物語、
    そしてそれらの中心となる「アレ」にもう

    「よくもまあ、”2人芝居”の名の元にこんなお芝居を作ったな」

    とひさびさ感激させられ、
    涙腺は緩むし笑いは止まらないしで
    大満足させていただきました。

    ?ネタバレしてないですよね( ´ー`)

    また、こういうマルチキャストなお芝居だと
    間(あいだ)を開けずに連続して観ても
    (普通同じお芝居のWキャストぐらいだと、
    少し気持ちを整理してから次の観劇をしないと
    「妙に知ってしまっている自分、楽しめない自分」がいるものですが)
    組み合わせの妙による更なる面白さや
    自分の中での「誰が一番泣かせる」「誰が一番笑わせる」などの
    ランキングを想像するのも楽しそうで
    明日以降の観劇が待ち遠しいです( ´ー`)

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ タイトルに小さく入っていた
      「黄色いハンマーを持った女と花瓶を頭に乗せた男」、
      完全に忘れてました。

      短編1本20分で、最後に「謎の動画」のオチで締めるのかな?
      と思っていたら、まさかの(各短編の)続き展開。
      (短編5編が1周回った時点では、「まあネタ的には面白かったから☆4つかな」
      なんて思ってました。)


      まさか「シンクロニシティ(共時性)」の名の元に
      まったく違ういくつもの答えを持って
      それぞれの短編につながりを持たせ、
      涙なしでは観れない、そんなラストに繋げるとは思ってもみませんでした。

      風俗編以外は完全に泣き入りました(´;ω;`)

      ※ 風俗編は風俗編で重要な箸休め的な存在だと思いますよ。


    ・ 3面舞台のこれまた一風変わった面白さ。
      四面舞台といえばX-QUESTさん。
      ズンさんおよびSUMIOさん、藤堂さんは
      あの四面舞台にも慣れているかと思います。

      ただ、X-QUESTの四面舞台との違いは、

      ・ X-QUESTは全面に観える形での(円の動きを行う?)
        お芝居をする=自分は1面観ただけでもかなりの満足感を得られる
        (言ってしまえば1面だけでも十分かな、と思ってしまうかも)
      
      ・ 今回のシアターKASSAI、劇団6番シードでの3面舞台は
        「観えない所が多い」
        「この面だからこその楽しさもある」
      
      という事で3面全面を制覇したくなりました。

      今日の面で一番面白かったのは、
      2話でSUMIO×土屋コンビのちょうど向かい合う2人の真後ろにいた為、
      ・ 土屋さんと話しているSUMIOさんの気分
      ・ SUMIOさんと話している土屋さんの気分
      それぞれが味わえた事かなあ、と。

      全面楽しませるX-QUESTの方が技工的には難易度が高く
      「上手い」と言ってしまう事も出来るのでしょうが、
      僕は今回の(役者)視点が初めての体験だったので
      ちょっと感動してしまいました。

      こんなに熱く語ってるんだな、って。


    ・ 「黄色いハンマーを持った女と花瓶を頭に乗せた男」という謎の動画に
      いろいろな解釈が入り、
      そしてそれがそれぞれの短編の「解(かい)」とも呼べる
      存在になって各物語が展開していく、
      本当に見事でした。

      自分は5編のうち、どれかが正解(オチ)を出して終わってしまうものかと
      思いましたが、5編ともシンクロニシティ的なつながりはあれど
      この動画の作者の本当の解(かい)(そもそもそんなものがあるのか)、
      とは異なる自分達の抱えている物語への答えを持って物語を終える、
      あの全員集結の舞台シーンがまさに「ふたりカオス」ならぬ
      「全員カオス」状態で、「匠」な短編集の終わり方だな、と感激しました。

      こういう余韻を残してもらうと、
      「じゃあ、いったいあの動画を作った人間の目的はなんだったんだろう?」
      など、物語の終わりが更なる謎を呼ぶようで楽しいですよね。


    最初、単なる短編集的に考えていたので、各編の良い所/悪い所を
    投稿しようと思っていましたが、「ふたりカオス」はまさに
    「動画」を中心とした全編のつながり、それぞれが持った別の「解(かい)」の
    巧みさの妙が面白い、これはこれであくまでも1本の作品なんだな、と思えました。

    いやあ、まだ観ぬコンビ達の回が楽しみです( ´ー`)

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    2015/09/24 22:52

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