満足度★★★★
二人芝居の密度は充分
吹原幸太さんが「監修」のクレジットのみとなったPMC野郎の課外活動、二人芝居×3本の公演。オムニバスとは言うが単に3本並べただけである。とはいえそこはPMC野郎、前説および幕間にサイショモンドダスト★さんが体を張った。お疲れさまでした。(個人的に短篇集なら幕間に何か無いと寂しいのでこれは嬉しかった)
「アラサンデレラ」はあらすじから受けた印象の範疇。気持ちよく笑わせていただいた。渡辺美弥子さんも増田赤カブトさんも客席を沸かせる力のある方だった。
「白い象のような山並み」小岩崎小恵さん・吉田翔吾さんの演技力とニシオカ・ト・ニールさんの演出力が素晴らしい一本。ヘミングウェイの戯曲は読まずに観劇したが、これは元が気になる。うまく行くのか行かないのか綱渡りのような緊張感、どちらかというとマイナスの印象を受け続けつつ、とりあえずこの場はおさまる20分。演出によって印象が変わりそうな作品だった。表情で見せる時間が長く、この一本が最も観客に集中力を求めた作品かと思う。
「Mexican standoff」バンタムクラスステージ細川さんお得意の追い詰められたマフィアの話だが、実に予想外な展開に。4分の3くらいは笑っていた。宮吉康夫さんの寄り目や素っ頓狂な声が忘れられない笑。いつも横尾下下さんの演技に安定感を抱くが、宮吉康夫さんはそれを上回る安定感。見応えのある20分だった。