黒船だあ! 公演情報 リブレセン 劇団離風霊船「黒船だあ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    なんちゃって時代劇!
    私がプロデュースしている劇団WHATCOLORが、いろいろとお世話になっている劇団、離風霊船のテント公演を観に行った。

    離風霊船といえば、屋台崩しといわれる派手なセット転換で有名!

    今回は、テントの公演と言うことで、どんなに派手なセット転換になるんだろうかと、とても楽しみに足を運んだ。

    和楽器による生演奏、歌あり、踊りあり、殺陣ありで、これぞ「芝居!」って感じ。

    テントならではの派手な仕掛けも盛りだくさん!はちゃめちゃな感じがとても楽しかった。

    ネタバレBOX

    50人近いキャストが繰り広げるなんちゃって時代劇(笑)。

    テントの舞台には、見事に長屋が再現されていた。二階に部屋があってそこで芝居をしていたり、出演者の皆さんの着物が素敵だったり、観ているだけでワクワクしてきた。

    歴史の教科書で知っているような人物と、名前は同じだけど全く関係が無いという登場人物達が、生き生きと生活している姿に、どんどん物語に引き込まれていく。

    発明を志す「源内先生」や、裕福な商家から盗みをはたらき市中にその金をばらまく盗人の「ねみ」、尊皇攘夷で対立する「勝」や「西郷」、そして「坂本」と坂本の命をねらう新選組の「沖田」と「土方」など、史実とは関係ないと分かりつつも(笑)、そのキャラクターの言葉や行動に史実を重ねて、とても楽しく観ることが出来た。

    作・演出の大橋さんの脚本や演出が、現代の世相をとてもうまく幕末に重ねていて、大笑いしたり、考えさせられたり。

    印象に残ったシーンは、源内先生が、大きな武器を作ること承諾してしまい、その恋人「おすま」がある決意をして、長屋を離れるシーン。

    舞台後ろの扉が開き、インターコンチネンタルと大観覧車のネオンと横浜の夜景が見え、冷たい風が客席に流れ込んできた。

    舞台中央にたたずむ「おすま」役の大矢敦子さんの姿とが一体化して、とても素敵なシーンとなっていた。

    また、テントならではの爆発シーンは、とても迫力があった。

    私は前から2列目にいたのだが、爆発で起きた熱風がしっかりと感じることが出来た。しばらくはテントの中に、火薬の臭いが充満していた。

    そしてラストには、大きな黒船がステージに登場する。船に乗っているJoanna.マッカーシーと、日本の女性達が語り合うシーンでの台詞は、とても胸に響いた。

    「私達は、子どもを産み、育てるんです」
    「私達のような女性が、世界を動かせるようになったら、また来てください。」

    台詞は、この通りではなかったかもしれないけど(笑)、なぜかとても印象的だった。

    恒例の気になる俳優シリーズだが、西郷の弟子甚太を演じていた小澤浩明さん。地味なお笑い役だったけど、とても印象に残った。特に卵焼きの食いっぷり(笑)。

    今後どんな演技をする俳優になるのか、とても楽しみな感じ。

    テント芝居って、その場所の空気を一緒に楽しめるのが魅力。

    離風霊船の友人の俳優さんから、テントの設営は本当に大変だったと聞いた。けが人が出たりして、精神的にも肉体的にも、本当につらかったらしい。

    そんな話を聞いたにもかかわらず、無謀な私はテント芝居をプロデュースしてみたいと思った(笑)。

    そんなわけで、そうして苦労したテントに是非皆様、足を運んでいただけたらと思った。とにかくすごく単純に「芝居」が楽しめた作品だったので、初めてお芝居を観る方でも、安心してご覧頂けると思う。

    0

    2008/10/19 08:07

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大