満足度★★★
壮絶家族の愛憎劇
観劇して数日経過しても、喪中直後のような、なんかモヤモヤしたものが残骸として出てくる。
バッドエンド後から話が始まったような舞台というか。地の底、地獄穴のようなとこで、もがき苦悩してる家族。互いが何かを失い支え補う、阻害ある亀鑑な間柄というか。
終始、薄明かりのような照明使いに、舞台の両サイドには砂地のような場所を設置し、家から出た後の時間をそこで過ごしている。それも彼らの心境のようにも見えた。
役者同士の身体の接触も多く、顔が触れ合うような距離で、怒鳴ってねじ伏せ触れ合って。見てるだけでしんどい。気が滅入りそうになるも、その直後には母や兄弟は優しく抱きとめる。
ラストの闇間に消えていきそうな母メアリーの語りに、家族の明暗と再生がかかっている、と思えた。
重苦しく陰気さに覆われた海外戯曲って好みではないが、役者さんに惹かれ見たが、賞を取るような海外戯曲ってこんなんばっかなのかな?
見終わって原題名に納得。