パイドパイパー と、千年のセピラ 公演情報 劇団ショウダウン「パイドパイパー と、千年のセピラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    千年のセピラ
    大きな舞台に小柄な女性が一人...しかし演じるのは登場人物とストーリーテラーの役割も担い、10名もの人物を演じ分ける。

    さて、舞台は同時上演する「パイドパイパー」との繋がり、その物語と興行の両方をうまく牽引するところは、作・演出 ナツメクニオ 氏の手腕の優れたところ。


    ネタバレBOX

    物語は、伝承でしか残っていない古代ローマの建国期におけるカピトリウムの砦を舞台に、そこで起きる謀略・戦争・愛情が壮大なスケールで描かれる...そんな前口上から始まる。このリードは、これから始まる一人芝居をワクワクさせる。

    物語は先に記したようにローマ建国期に実際に起きた事件をモチーフにしているらしい。砦を舞台にローマ人とザビニ人の争い、その昔にローマ人の奸計によってザビニ人の男子が殺害され、女子は奪略された。そしてローマ人に育て上げられた(ザビニ人)少女...。時は流れ、ザビニ人が今度は復讐のため砦を攻める。その少女は攻撃してくるザビニ人の新王に恋し、城壁を開門する。その後、恋した新王に裏切られ...。
    その霊魂はいつの日にか再びこの世に蘇り...パイドパイパーへ引き継がれる。一瞬、輪廻転生のような感じもする。

    さて、本公演は第26回池袋演劇祭大賞受賞を記念したものであり、東京公演のみハイドパイパーの舞台裏で進行する、もう一つの奇跡の物語であるという。
    伝承の世界であるから、そのモチーフを利用しつつも、大胆に発想し好きなように膨らませる。その内容は壮大なドラマであるが、一方細部に人間の愛憎というドラマも観える。悠久の歴史の中でも、なお一人ひとりの人間の営み無くしては刻まれない想いがしっかり伝わる。脚本、演出、舞台美術・技術は素晴らしかった。
    また、林遊眠サンが表情豊かで躍動感溢れる演技で魅了してくれた。全体的には素晴らしかったが、序盤から前半にかけて台詞と動きに精彩を欠いていたように観えたが、杞憂であろうか。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/09/16 16:52

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