満足度★★★★
工夫を凝らした演出
井上ひさしのこの作品はあちこちで取り上げられ、かなり知名度が高い。栗山民也演出のこの舞台は、見ている人たちを飽きさせない、工夫を凝らした作品で、何回見ても楽しめる。
南郷清之輔を演じる八嶋智人だけでなく、多彩な方言を使ってでてくる人たちの個性が存分に発揮され、そういう意味での群像劇である。見ていて飽きないのは、そういう台本になっているからだとも言える。
井上ひさしが訴えてきた言葉の大切さ。例えば、政治家の言葉が今ほど軽く扱われているというか、軽い発言ばかりで自ら言葉を毀損している、そのような世の中だからこそ、國語元年を見直したいのである。