満足度★★★★
大胆解釈した物語
ハーメルンの笛吹き男...怖い教訓イメージがあるが、この公演では虚実の伝承ゆえに、その不確実を逆手にとって大胆に解釈した物語。
そして演劇企画ハッピー圏外らしい、軽妙だがしっかり物語に引き込む魅力ある演出は見事である。
伝承...その謎を解く展開は、わかり易く本当に楽しめる芝居になっている。
子供のころに聞いた伝承は、教訓または風刺のようであったが、本公演では、政治情勢などが絡む人間ドラマになっている。その意味では寓話というよりは、この公演のような歴史書(編纂)と評するほうが相応しい。この物語の中心となる街の統治を巡る権力闘争(政争)は、そこに住んでいる人々の生活に大きな影響を及ぼした。知られた諺に「木の葉を隠すには森に隠せ」ということを聞くが、その悲しい苦渋の選択とは...。