浅草紅團・改 公演情報 劇団ドガドガプラス「浅草紅團・改」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    お見事...
     『木曜の夜にはズロースが落ちる』と川端康成が新聞小説に記したばっかりに榎本健一率いる『カジノフォーリー』は連日連夜の超満員でごったがえしたそうです。 よーし、ドガドガもひとつあやかってみるか...を確かめるべく、木曜日の夜に観劇した。けっこう早く劇場に着いたつもりであるが、既に整理番号15番であった。
    その公演は、やはり期待を裏切らない見事なものであった。

    ネタバレBOX

    本当に舞台上は、浅草風情(実際の上演場所も浅草・東洋館)が醸し出されている。場内全体をそのように感じさせる演出はいつもながら見事である。
    舞台セットは、物語の展開とともに言問橋の橋桁や浅草寺境内・拝殿をイメージさせる。セットはシンプルであるが、役者の登場が上手・下手やセット中央の出入り口だけではなく、客席の両通路、上手の2階部など各所を...それだけで賑わいを感じる。

    物語は、昭和初期の浅草を舞台に路地に生きる人たちの哀歓を描いた都市・風俗劇といったところ。この舞台では浅草だけではなく、その周辺も視野に入れていたようだが。関東大震災以降の都市変貌・風俗と昭和恐慌の影さす終末的な不安と喧騒の世情が見事に映し出されていた。そう映写機を通して見る当時の昭和モダニズム...その演出は雑多のようであるが、それはルポルタージュのような切り取りのように観せている。

    もちろん、ダンス、歌は素晴らしいし。その雰囲気は耽美であり妖艶でもある。それが舞台上だけでなく、舞台と最前列客席の狭いスペースでも行われ、その圧倒的迫力...堪能した。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/08/30 11:43

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