時をかける206号室 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「時をかける206号室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    見れば見るほど
    これを書いている時点で4回観劇しました。
    初回は案の定、謎を追っかける(一応、男性陣の役どころはネタバレ以前にピンときましたが)感覚で終わったような感じでした。
    それでも、終わった時には「え?もう終わっちゃったの?」という感覚でした。
    2回目の観劇であらすじを知っているが故のOPでのダンスでのそれぞれの関係性がわかり、話もより深みが増したように思いました。
    3回目、個々の細かいところを見ようと思って観ていたらクライマックスあたりで涙が出てきました。
    そして、この後の観劇が千秋楽のみになるのはもったいないと思い、追加した4回目。
    OPからもう涙が出まくっていました。
    あぁ、この人はこの時こんな感情があったから、こんな表情をしているんだなとか、いろいろなセリフで涙を流したりしていました。
    複数見たことで、自分の中でより深みを増した作品になりました。

    ただ、毎回思うのが、複数回観た方が深みを増す作品ばかりなので、複数回見ることを前提にしている人を誘うのには適しているが、そうでない友達には気安く誘えないところがなんだかもったいないので、星4つに。

    ネタバレBOX

    初見では薄い印象だった205号室の住人。
    1時間トークで確か中村さんが言った「お芝居中で話が書き加えられるから」とかいう言葉を聞いて、カチッとピースがハマった感じ。
    いやあそこの住人は観る回数を重ねれば重ねるごとに味わい深くなってくる、気がする。

    4回目観劇時、いろいろと頭の中で整理されてたからか、OPの段階から泣いた。
    OPの二重生活を送る男が笑い顔から突然表情を消して本編に入ってく姿に少しゾクリとし、その後の男の行動にイラッとした。
    二重生活を送る男の妻の、「ねぇ、私も子供が出来たんだよ」(確かこんなセリフ)にゾッとした。
    自分の子供が誘拐されてしまったが故に、他の子供を誘拐してしまった妻のところどころの狂気、そして時折正気に戻りまた狂気に戻る。
    そんな妻を見て疲れた夫が頭を抱えるシーンでホロリとした。
    あぁ、少しはまともになったんだなと思ったりもしたが、「底辺なんだな、自分って」のセリフあたりでまたおかしくなり始め、結果起こしてしまった妻の殺人。
    あぁ、やっぱり狂ってる。
    事実しか書けない小説家は事実を自分の都合のよいように、そしてあたかも事実であるかのように書く小説家だった。
    その妻のセリフ「こんなことしなくても、いい作品書けたよね。信じてた」で自然に涙が出る。
    親らしき人物から脅されている漫才師の笑っていない目を見て胸が詰まる。そして自分ではないのに相方に、相方の母親を交通事故で殺したのは自分の親だった、ごめん、と謝るが、代弁された事に怒りを表すオカマの姿に泣いた。
    偽りの家族として過ごしているルームシェアの4人が住む部屋に家族を感じたいと思う女がやってきた時に、偽りの家族と言われて怒る若い女と肩を落とすおじさんとおばさんの表情の変化に気付いたら泣いていた。
    そして漫才師の漫才を見ていた後に、若い女が「ねぇ、お母さん」って言った後のおばさんの驚いてでも少し切ない顔で「ん?んん~」と返すところでまた泣いた。
    最後の206号室は駄作にならないよい作品が書けるといいなと願ってしまう。
    観れば観るほど、自分の中で深みを増していくそんな作品に思った。
    なんだかいろいろ考えちゃうような、そんな作品。

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    2015/08/29 23:06

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