ミソロジカル:カナタ~時の向こうに~ 公演情報 れんアカデミー「ミソロジカル:カナタ~時の向こうに~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    為政者とトップが馬鹿な「国」
     まあ、この植民地で平気で暮らしている奴に、賢く・健全な精神の持ち主など居る訳もないが、中でも、各組織のトップと、為政者の愚かさは特筆に値しよう。

    ネタバレBOX

     カーチス・ルメイの命令による無差別爆撃で一体どれほどの女・子供、年寄りが生きたまま、焼かれたか? 1945年3月10日には、僅か数時間の間に10万人以上が生身を炭にされ、或いはずるむけの遺体にされた。被災地の殆どが関東大震災で最も大きな被害を受けた地域に重なる。即ち庶民の生きていた場所だ。未だに隅田川に掛かる古い橋には、焼け焦げた人々の体から沁み出た油が橋の欄干に沁み込んだ跡を認める事のできる箇所が残る。  
    其の時、カーチスは、笑いながらこう言っていたと伝えられている。「日本の家屋は、竹と紙でできている、よく燃えるぞ」と。情けないのは、こんなカーチス・ルメイに自民党政権下の日本は勲一等の勲章を与えているのだ。勲章を与えた年は1964年、首相は佐藤栄作、即ち安倍晋三の叔父である。防衛庁長官は小泉 純也(純一郎の父)であった。イラク出兵にもろ手を挙げて賛成し、自衛隊もサマワに派遣した、あの単純で考えの無い純一郎である。(その後の原発反対も方向性は正しいものの、大して深いものではあるまい。)  
    こういう愚かなことを平気でやってきた日本が、70年以上前に、矢張り如何に愚かなことをやり続けていたのかは、焼夷弾の降り注ぐ中、バケツリレーでの消化を喧伝したり、防空頭巾程度で身を守れると愚にもつかないことを浸透させていたことでも明らかであろう。だが、実際、今作でも描かれているように、女性はモンペに防空頭巾といういで立ちが普通であった。
    今作は子供達の観賞にも耐えるよう、殊更な知識は無くとも、時空の避け目とそこに広がるクレイドルという亜空間(即ち亜時間)に棲む不思議な子供たちによって、生まれる時、所をシャッフルされた実在の人間が、時空を越えて接触することで、何か大切なものを学んだ、という感覚が残れば良いのである。細かい歴史的事実や、個々人の性格形成に於いて、その漠然としてはいるが、ある雰囲気を持ったものが、彼らの未来を豊かにしてくれることを祈るのみ。

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    2015/08/25 02:12

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