時をかける206号室 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「時をかける206号室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    待ちに待った久保田唱/ボクラ団義アハ体験!!
    何を書いてもこれから観劇の人の楽しみを奪う
    ネタバレになりそうなので。。。

    「スーパーマリオもビックリ!」
    「ひさびさ久保田唱/ボクラ団義の真骨頂演劇!」
    と。


    本日の終演後イベントのトークショーにて
    役者加藤凛太郎さんのお話を聞いて、
    「本当に久保田唱さんは鬼才にして天才、
    本気を出した時、
    脚本/演出家として物語は脳内で既に
    視覚/聴覚的に全て完成イメージがあり、
    演出はあくまでもそれを具現化する作業なんだなあ…」と
    改めて感心。

    そしてそれを有能な表現者集団として
    100%、いや120%の出来で
    現実に具現化するのが企画演劇集団ボクラ団義演者陣、
    スタッフ、そしてゲストの皆様なんだなあ( ´ー`)

    と、役者さん自身の感想を聞いて改めて
    その実力に納得させられました。

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ Rose in many colorsさんの往年の名曲を
      完全に演劇とシンクロさせてのオープニング、
      綺麗に決まったなあ、と。

    ・ そして開演前、
      アパートの一室の入り口だけと見せておいて、
      セットがグルグルグルグル中も外も回って回って、
      演者もそれに合わせて回って飛び乗って、と
      アトラクション的要素まで含むセットとそこでの演出/演技に驚き。

    ・ 物語について
      「何故かこの部屋を見たい」と
      アパートの内見に訪れた男性と、
      そこに現れこの部屋のいわくを語る謎の女性。

      そして語られる現実ともフィクションともつかない
      それぞれの部屋の
      「愉快では済まない」出来事すら
      笑いに変える序盤の展開。

      企画演劇集団ボクラ団義は自分が知ってからもどんどんどんどん
      演目とその方向性を広げていっていたので、

      この序盤の展開に「今回は喜劇的な会話劇なのか」と思っていました。

      しかし「この物語を作っているのは、実は男性側」、
      そして各部屋と登場人物達の関係が明らかになるにつれて見えて来る
      サイコサスペンスに大いに混乱させられました。

      ※ 観劇者の頭の中に1度描かれた物語が転じて完全に崩壊し、
        そして再び真実の視点で組み直されていく、
        (脳内で)1万ピース超のパズルをバラして再び組み上げるようなこの体験が、
        ボクラ団義式「アハ体験」とでも言うのでしょうか、
        1度ハマるとたまりません
        (普段経験する事のない感情というか感触というかがクセになります)。

        これぞロジカルミステリの鬼才久保田唱と企画演劇集団ボクラ団義の
        一面にして真骨頂かと。

      そして、親子であった2人は未完の204号室(漫才師)と205号室(他人同士)を
      「救いのある形で完結」させ(205号室については構築自体を取りやめ)、
      自分達の人生と再び向き合って行く、と。

      笑いあり涙あり恐怖あり混乱あり、本当に色々なものが入り混じった
      一大巨編、その名が「時をかける206号室」なのが
      小劇場演劇ならではの自由奔放さなのでしょうか、
      タイトルからは誰もこんな展開予想できないと思います。
      (ボクラ団義を知っているファンの面々ですら、
      毎回「今回はこう来たかー!?」と騙されていると思います。)

    ・ この大混乱をひさびさに味わったからこそ、
      観劇後全てを知った「神の視点」での二度観が待ち遠しい。

      「アレがこうして、つまりこの人が実は…、
      あっ、隠されてた伏線また見つけた!!」
      が楽しみでなりません。


    ・ ほんのちょっとの間でしたが、残念だったのが
      ヒロインにしてストーリーテラーを務めるアイドルの方
      (ボクラ団義は基本、ヒロインにアイドル系女優さんを置きますね)の、
      演技が安定しなかった事でしょうか。
      ・ 発声
      ・ 演技自体
      序盤などのノレている時は問題なかったのですが、
      中盤ちょっと乱れた時など不安定さを感じ、

      せっかく自分が浸っている良い「混乱」の物語から、
      集中を解かれかけてしまいました。
      ※ 多分、それほど多くのミスではないのですが
        他が本当に集中して演技出来ていた感じだったので
        ほぼ全編通して存在し続ける2人の所作、台詞などには
        大注目の状態だった為、かなり気になってしまいました。

      それもあり、一大巨編にして自分の一番好みのタイプの
      お芝居だが、本日は「集中力そがれ」で☆4つかな?
      と途中お芝居から気持ちが離れてしまった時、
      そんな事を考えていました。

      でも、まだまだ公演序盤という事もあり、きっと場慣れその他で
      きっと変わっていく/良くなっていくものと思います。
      (今までのヒロイン陣もみんなそうでしたから( ´ー`))

    ・ 親子2人で仕上げた204号室の漫才師コンビとオカマの
      やりとりが急激に涙腺を刺激されました。

      そのちょっと前までは恐ろしいサイコサスペンスの様相を呈していたのに、
      男性(小説家)の未完の空想(物語)でしかない
      この漫才師達の結末をどう仕上げるのか?

      観ているこちらも気になり、
      それが
      ・ 俺の親父が相方の母親を轢き殺した、と父親を名乗る男に脅された
      ・ そんな事漫才の前に言えよ
      ~
      ・ その親父はオカマの父でもあり
      の怒涛の涙の連携プレーに、(設定に多少の無理は感じつつ)
      役者陣のあまりの演技の良さに
      一気に涙が溜まりました。

      物語の展開が本当に素晴らしい、山も谷も光も闇も、
      色々なものを備えた一大大冒険活劇、
      それが「時をかける206号室」(タイトルがまったくその世界観の広さにあってない( ´ー`))
      かと。。。


    PS.一身上の都合で劇団を離れられた竹花さんと
      ひさびさの新メンバーの18歳(名前??)が
      揃った光景は何か嬉しいものがありました。

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    2015/08/20 18:32

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