満足度★★★★★
消失からの再生
須貝さんの作品は誰にでも何処かしら覚えがある優しくも厳しい、痛々しくも温かい台詞が心地良い。今作もシナリオ本を何度も繰り返し読み返してしまった。水辺の家はわたし達のオアシスであり故郷なのであろう。失くなることが前提で展開するストーリー。確実に失ってしまったものは元に戻ることはないけれど、人々の心に生き続け、そこから再生するものもある。クールなヒロインが子供の様に慟哭し続ける周りで日常が流れた演出に内省を抉られる思いがした。キャストが演じた個性的なキャラクター設定も緻密で実に丁寧で上質な物語に胸の傷口を塞いでいただいた。