満足度★★★★★
ジレンマジレンマ 素晴らしかった
取り調べという設定に舌を巻く。
3つの設定の仕方も秀逸。
東電ではない、政府筋の原子力監視委員。被災地を狙った強盗。風評被害に苦しむ現地の米屋。
米屋だけが当事者で少々性格が違うが…。
勿論、原子力監視の公務員も当事者なのだが、東電のような当事者ではないか…。
震災というより、原発事故によって引き起こされた歪みを描き切った意欲作だ。
台詞の応酬、脚本構成、演出、演技、すべてに高得点!
奇しくも、本日読売演劇大賞の各賞が発表になり、「追憶のアリラン」が高評価を得ていたようだが、本作も堂々と肩を並べる秀作だと思う。
いつも思うことだが、エンターテイメントを謳う作品もあることには文句はつけぬが、マスコミの在り方が心許無い我が国において、このカンパニーの存在は特筆されるべきだし、演劇本来の在り方を貫いている事に拍手と称賛を贈る。