僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪 公演情報 天幕旅団「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ファンタジーを纏った今を想起
    細かい部分はいろいろとあるのですが、良く構成されていたし、作品には観る側をその結末まで引っ張り切る力がありました。

    ネタバレBOX

    白雪姫の枠組みを根底から覆すことはありませんでしたが、一方で現代の家族や心を病むもののありようへの寓意を込めた作品であるようにも感じました。

    シンプルな小道具での表現などもしっかりと機能していたし、動きの速度などにはニュアンスを織り上げるためのしたたかコントロールを感る部分もありました。
    ただ、場に役者が作る密度が音楽をかぶせることで平板になったり、ひとつずつの台詞にも、物語の描こうとするものを際立たせるためのもう少しの精度があればと思う部分もあってあって少々もったいない気がした。

    作品には白雪姫という既知の物語を観る側にとっての新しいニュアンスとともに供する力があったし、役者達の身体の使い方にしても、会話の織り上げにしても、意図は理解しうるのです。
    でも、その世界の内外を逆転させ、ロールそれぞれが抱くものを観る側に理屈ではなく感覚として晒すためには、役者たちがその身体や台詞で刹那の肌触りや空気の濃密さを更に高い解像度を維持しつつ編むことが求められているように思う。それは、前述の音の使い方とか美しい場面の言い回しの凡庸さでもあり、役者達の台詞の小さな抑揚の抜け方だったり、舞台の外の所作のミザンスだったりもするのですが、舞台に描かれ語られるべきことはもっと強い浸透力で訪れるべきものであるようなするのです。

    物語を観客に繋ぎとめラストシーンまで導く力を感じつつも、白雪姫の物語と現代が重なる時、それぞれが互いの世界にボーダレスに入り込み、組みあがり、膨らむためには、研がれるべき要素がまだいくつか残っているように思えたことでした。









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    2015/07/14 01:02

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