二都物語 公演情報 新宿梁山泊「二都物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    記憶
     1972年3月、戒厳令下の韓国ソウルにて、詩人金芝河の協力を得て上演された状況劇場の伝説の作品。
     先日観た『透明人間』もそうだが、唐さんの戯曲の奥深さを痛感。
    とって付けたような歴史への批評というものではなく、
    もっと身体とその痛みに根差した歴史の記憶を内包している。
    朝鮮半島と日本、その間にある海峡の記憶。

     初演にも参加された大久保鷹さんは強烈。
     申大樹さんと島本和人さんの演技も印象に残っている。

     ここのところ日韓関係がギクシャクしている(お互いの好感度が下がっている)。それに、日本の政府は右傾化し、戦争ができる国になろうとしている。そんな状況でこの作品を上演する意義はとても大きい。

    ネタバレBOX

    戯曲が内包している問題について書こうと資料を読んでいたら、
    山口猛氏の『同時代人としての唐十郎』(『紅テント青春録』も)にこの作品ができる背景とその解釈が仔細に書かれていた。

    私が感じていたものはほとんどは山口氏が既に指摘している。
    また、そこに大久保鷹論も書いてあって、これも正鵠を射ていると思う。

    改めて書きませんが、興味がある方はそちらを読んでみてください。

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    2015/06/21 23:11

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