山の声-ある登山者の追想 公演情報 カムヰヤッセン「山の声-ある登山者の追想」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    日本登山黎明期の国宝的山の猛者、槍で…
    街編を観劇しました!

    大正から昭和の日本登山の黎明期、国宝的な山の猛者と賞され、日本登山史に燦然と名を残した加藤文太郎(三菱重工に中卒入社し技師にまで昇進。登山も元々素人で、お金も無かったため、我流独学で単独行にて登山)。
    その加藤さんが藤木さんとともに槍ヶ岳に厳冬アタックした際の実話に基づくお話だったんですね。
    (過日、私が六甲山半縦走した時に)加藤文太郎さんの事を知り、本公演、とっても興味深く拝見できました。

    加藤さんがこれまで挑んだ登頂単独行、六甲全山縦走1日往復(塩屋⇔宝塚)、東大パーティとの話、どれも実話に基づいており、説得力のある舞台で、本当に山の上にいるようでした。
    内容の濃い濃密な二人芝居。
    とっても良かったです。

    ネタバレBOX

    舞台は、槍ヶ岳に一緒に登山した加藤と藤木の会話形式で展開。
    最後に藤木が死亡した事が明かされ、これまでの藤木との会話は、全て加藤の回想…?

    そして槍ヶ岳での遭難の場面、加藤は必死に藤木を連れて戻ろうとするが、最後、藤木の死をみとり、藤木の亡骸の近くにピッケルを2本立て、加藤は一人下山する、ところで舞台は終わっている。

    その後の顛末…。
    実は加藤も力尽き、下山できず、妻・花子さんと(生後一年たたない)娘・登志子さんのもとには戻れなかった。
    舞台も、その事を匂わせる終わり方になっていたが、この事実を知って思い返すと、より心にしみるラストでした。

    加藤の遭難は当時の新聞でも「国宝的山の猛者、槍で遭難」と、大々的に取り上げられている。

    加藤の死後、妻の花子さんは立派に娘・登志子さんを育て上げ、加藤文太郎さんをモデルにした新田次郎著「孤高の人」では、自分を実名・花子で登場させるように強く主張。
    一年足らずの結婚生活でしたが、花子さんは最期まで文太郎さんの奥さんだったのでしょうね。
    凄いです!

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    2015/06/18 08:51

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