満足度★★★★
まるでコミックのよう
演出家兼アクション派俳優伊藤翼主宰団体の第二弾。旗揚げではほとんど出演がなかったが、今回は主宰自らほぼ出ずっぱり。彼のどこか人間離れした軽妙さが、漫画チックな世界観によく合う。
「神器」や「精霊」が鍵を握る物語は、漫画やアニメにはよくある流れと言える。しかしそれをそのまま舞台に持ってきて、演劇らしく独特の美術や殺陣で表現したところは面白い。
もっと複雑で長大なストーリーにできる余地があるところを90分にまとめた潔さも、漫画のような気軽さでいいと思う(個人的に普段どんでん返しに次ぐどんでん返しみたいな作品を多く観ているのもあり)。ちょうどコミック一冊分くらいだろうか。
観客は出演者のファンが多く、大半が大人だが、もっと若い人にも観てもらったら刺さりそうな気がする。